好きなまんがの感想

漫画のレビュー。とんちんかんなこと言ってたらすみません。

ダンジョン飯をおすすめする

 

まあ、説明も不要かと思いますが、ダンジョンで出てくるモンスターを倒し、そして食べるというまんがです。現在6巻まで刊行。最終的に10巻前後にはなりそう。

 ダンジョン飯はハイ・ファンタジーです

このまんがのすごいところは、舞台が中世ベースのこてこてのハイ・ファンタジーワールドなところです。トールキンの『指輪物語』、日本なら『ソード・ワールド』ベースのもの(ロードスとか)などですね。そんなシリアスな世界で、基本はギャグまんがとして、魔物ごはんつくって食べているところにものすごくおかしみがあるのです。

ファンタジーが好きなひとほど面白い

オリジナルの軽~いファンタジー世界でオリジナルの魔物を狩って食べても、そこに面白さはありません。みんなが知っていて、まんがに限らずゲーム等、他の場所で見たことのある魔物を調理していることに意味があります。そこに生まれる「共感」や「驚愕」がこのまんがの面白さです。「アレは確かに食べられそう!」「アレを食べちゃうの!?」とワクワクしながらページをめくっている我々に依存する面白さです。

ごはんにする魔物に限らず、ドワーフとエルフが昔戦争してたから仲が悪いとか、そういった細かいところもファンタジー好きには嬉しい。サブカルの頂点というか進化の系統樹のいちばん先っぽというか、いままでのファンタジー作品を全部積んでその上に置くことで面白さが発揮されるというか…。とにかくエンタメ界にファンタジーが浸透しきっていて、いいとしのひともみんなまんがを読む、その上に成立する21世紀のファンタジー作品です。

そもそも純粋に面白い

そして作品そのものは大きなとらえかただとパロディものであるにも関わらず、このまんがは単体で見ても物凄く出来が良くて面白いのです。画力、テンポの良さ、ギャグのセンス、キャラの魅力、伏線回収の巧みさ、長編の構成力、一話の完結力、も~うどれをとっても最高。ほんっとおすすめ。

 

 

そして作者は短編の名手でもある。完璧か。


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